初出 2014/05/24 最終更新 2020/04/26
これは初心者向けのお絵かき講座です。お絵かき経験そのものがない本当の初心者だけではなくアナログ絵は少し描いたことがあるけどデジタル絵は未経験という人も対象にしています。
《補足説明》 「塗り方」の種類について 「『アニメ塗り』とは何か?」という人もいると思うので念のため書いておきます。 また、塗りにはアニメ塗り以外にも様々なものがあるので主なものについて書いていきます。 アニメ塗り 基本的にぼかしや透過を行わず色を重ねていく塗り方。TVアニメ等で良く用いられている塗り方であり、少ない色数で立体表現が可能。 ギャルゲ塗り(エロゲ塗り) アニメ塗りにぼかしを加えたような塗り方。 厚塗り 基本的にぼかしや透過を行わず色を重ねていく塗り方。多くの色を使い立体感を表現する。 水彩塗り 水彩画のように下の色を透過させていく塗り方。塗り重ねることで幅広い立体表現が可能。 塗り方には高等、下等は特になく初心者であっても自分が興味ある塗り方から覚えていくのがベターです。しかし、ぼかしを多用するとメリハリのない絵になりやすいため基本的にぼかしのないアニメ塗りを覚えることは初心者にとっては非常に有用なものと言えます。アニメ塗りを覚えることで様々な塗り方への応用も可能(特にアニメ塗りを覚えた後でギャルゲ塗りを覚えると非常に簡単に理解できる)になるためある意味「基本」と言えなくもありません。(基本だからといって必ずしも容易とは限らない) |
※945GMS、945GSE、940GMLは 最大2GB | |||
※GL960は 最大2GB | |||
※GL40は 最大4GB | |||
コードネーム Arrandale | |||
コードネーム SandyBridge 以降 | 現行のCore iは ・Yタイプが 最大16GB ・Uタイプが 最大32GB ・Hタイプが 最大64GB |
旧旧feel | 筆圧 256段階 | hp Elitebook 2760pなど多数 | |
旧feel | 筆圧 1024段階 | VivoTab Note 8、Surface Pro 2など多数 | |
旧feel 改 | 筆圧 1024段階 | ずれ減少 | Atom婆、M婆など |
新feel | 筆圧 2048段階 | Dynabook RZ82など | |
新feel2 | 筆圧 4096段階 | 傾き検知あり | Galaxy Book 10、12、raytrektab 8(旧)など |
新feel3 | 筆圧 4096段階 | 傾き検知あり | raytrektab 10、raytrektab 8(新)など |
VersaPro VT(Atom Z3795搭載モデル)(通称「Atom婆」) ・・・ 中古相場1万円台 |
良い点 ・10,1インチで500g台と比較的軽量 ・WUXGA(1920x1200)の高解像度液晶 悪い点 ・AtomなのでCPUが低め(それでもAtomの中ではマシな方) ・メモリは4GB(増設不可) ・ペンは新feelだけど本体は旧feel ※似たような型番がいろいろあるので購入時はよくスペックを確認をする必要がある(下位モデルはメモリが2GBしか無い) 姉妹モデルとしてLenoboからThink Pad 10が出ている(こちらも世代がいくつかあるので購入時は注意) 価格重視の人におすすめ Atom婆ではスペック不足ならばCore M搭載のVersaPro VS(通称「M婆」)が3万円前後で購入可能 「メモリ8GB」を狙うならばM婆の姉妹モデル「ThinkPad Helix」もあるけどペン非対応モデルもあるため注意 |
raytrektab 8インチモデル ・・・ 中古相場1万円台 |
良い点 ・携帯しやすい小型サイズ ・ペンは新feel 悪い点 ・AtomなのでCPUがかなり低め ・メモリは4GB(増設不可) ・画面が小さい 手軽にラフやラクガキ(ちょっとしたお絵描き)に使いたい人におすすめ |
raytrektab 10インチモデル ・・・ 中古相場4万円台 |
良い点 ・WUXGA(1920x1200)の高解像度液晶 ・ペンは新feel 悪い点 ・CPU性能は第2世代Core i5並なのでギリギリ使えるレベル(Atomよりはずっといいけど) 低価格でペン性能を重視する人におすすめ |
Galaxy Book 12(メモリ8GBモデル) ・・・ 中古相場7〜10万円前後 |
良い点 ・CPU、メモリともに普通にお絵かきをするならば特に心配が要らないレベル ・鮮やかな有機ELモニタ(フルHDを超える解像度) ・ペンは新feel 悪い点 ・特売時の新品の価格を知っていると高めに感じる中古価格 ・国内ではあまり売れてないため中古であまり出回らない PCとして普通に使えるレベルの性能のものが欲しい人におすすめ |
《補足説明》 アナログ線画を取り込んでデジタル絵を描く方法 実は今回のようにアニメ塗りの場合はペンタブを使わなくてもマウスだけでも塗ることが可能です。 ただし、マウスだと線画が描きにくいため紙(無地の紙がベター)に描いたものをスキャンするという方法を採ると良いでしょう。最近はスキャナ単体はあまり売られていませんがプリンタ(複合機)を買ったらスキャナ機能が付いています。スキャナも複合機も持って無いという場合は昨今はデジカメの性能も良いので紙に描いた線画をデジカメで撮影しても良いです。線画は鉛筆等で描いて問題はないですが、可能な限りキレイに描く(不要な部分は消しゴムでしっかり消しておく)とキレイなデジタル線画を得ることができます。 デジカメで撮影時であればそのデジカメの最高画質で良いですが、3000万画素、4000万画素で撮影するとPCに高いスペックが要求されてくるため1000万画素程度あれば問題はありません。これは撮影時に画素数の変更をしなくても撮影してからリサイズすれば良いだけのことなので「常に最高画質で撮影」で構いません。目安となる画素数を描いておくと公開予定の絵の10倍程度です。1024x768の絵を投稿する場合には78万6432画素の10倍の700万〜1000万画素となるわけです。 リサイズの方法はソフトによって変わります。SAIならば「キャンバスの解像度変更」、Photoshopならば「画像解像度」で変更が可能です。 先ほどの「公開予定のサイズの10倍の画素数」はあくまで目安なのでその半分程度でもそれほどの支障はなく古いデジカメやスマホ(ケータイ)のカメラ機能しかないという人もよほど古いもの(10数年前の機種等)やカメラ性能が低いもので無い限りそれほど心配は要らないと思います。ただし、撮影時には手ぶれに注意し紙の上に自分自身の影ができない状態で撮影してください。カメラそのものの性能よりもこの撮影時の注意の方が重要です。手ぶれによる影響で取り込んだ線がキレイで無くなったり影が入ってしまうと線画だけを残すのに非常に苦労します。可能であればライティングをしっかりと行い三脚を使用すれば良いですがそこまでやるのは面倒なので強く勧めることはできません。(そこまで気合いを入れるくらいならばスキャナを使った方が遙かにお手軽) スマホを使えば鉛筆で描いた線画をお手軽にデジタル化できます。台形補正や2値化を自動的にやってくれるアプリもあります。 スキャナで取り込む場合は用紙のサイズにもよりますがA4サイズ一杯に描いた線画ならば300dpi程度に設定すれば問題ないです。それより小さければdpiを上げてください。「dpi」の意味は後述の「ラフを描く」で書いています。 ただし、鉛筆画をスキャナで取り込んだり、デジカメで撮影した状態だと線画としては使いにくいです。それは白黒がはっきりしない眠い感じの線になってしまっている場合が多いためです。色を塗る場合も範囲が明確に指定できないため難しいし色もキレイに塗れません。 その場合は取り込んだ後で白黒2値にすればOKです。Photoshopを使用であれば「調整レイヤー」を新規作成してコントラスト調整を行い(コントラストを強めにしたりメインとなる線画が消えない程度に明るくしたりして)背景を真っ白に飛ばします。さらに調整レイヤーでレベル補正を行い白黒2値状態にする(入力レベルの最小も最大も255にする)ことで白黒2値にできます。 SAIならば取り込んだ鉛筆画のレイヤーの合成モードを「カラー2値化」にすれば良いです。不透明度のスライダーを調整すること白黒2値のしきい値の変更が可能です。Photoshopの方が細かい調整が可能ですが、SAIの方がお手軽に2値化可能です。 2値化した線画は背景と一体となっているため線画のみを抽出したい場合はPhotoshopならば色域を指定して黒の部分だけを選択して切り出せば良いです。SAIの場合はレイヤーメニューの中にある「輝度を透明度に変換」をすれば良いです。こちらもSAIの方がお手軽に実行できます。 線画が背景と一体となった状態だとすべて乗算等で塗っていく必要がありますが、線画のみを抽出した場合だと線画レイヤーを上の方に持っていくことでペンタブで描いた線画と同じく本講座のすべてのことが実践できるためオススメです。(線画のみを抽出しないと色トレスとかは不可能) 2値化した線画がイマイチと感じる人は鉛筆画ではなくアナログでペン入れをした状態であればさらにキレイになります。アナログ取り込みをした線画というのは細部にどうしても細かいゴミが出てしまうのでそれはお絵かきソフトの消しゴムで消しておいてください。それでも気になる部分があればマウスで微修正しても良いです、線画を描くのはマウスでは難しくても修正程度であれば簡単にできます。 さらにキレイな線画を得たいというならばスキャナやデジカメで取り込んだ鉛筆画をPhotoshopならばパス機能、SAIならばペン入れレイヤーを使ってトレースするという方法(後述の「ベクターレイヤーによるペン入れについて」参照)によって可能です。「ペンタブが無いからデジタル絵が描けない」ということはなく描こうと思えばマウスしかなくても描けるのがアニメ塗りのメリットなのでPC以外の周辺機器は持ってない人もそれほど心配する必要はありません。 |
ラフにかかった時間は10分くらい
ここまで合計10分くらい
(キャンバスに描き始めを起点としたトータルの概算時間)
《補足説明》 ラフが上手く描けない場合について 「ラフ」というのは自分が描きたい絵の大ざっぱなイメージをキャンバス上に表現したものです。そのため「ラフが描けない≒明確なイメージが出来ていない」といっても過言ではありません。 では、明確なイメージというのはどうやって培うのかというと絵、漫画はもちろんのこと写真や映画といった映像作品に触れることも重要でしょう。印象に残るワンシーンを脳内に思い浮かべられるようになるまで見てください。 「自分がイメージした絵」というのはゼロの状態から描き始めると考える人がいるかもしれないですが、決してそんなことはありません。それは、「100%オリジナル」というものは存在しないためです。誰も描いたことがないような絵を描こうとするがあまり「模写や模倣は駄目」という縛りを課している人もいるかもしれないですが、実際は模写や模倣によって自己のオリジナルが形成されていきます。(もちろん模写のみの作品を自分のオリジナル作品として発表するのは著作権の面で問題はありますが) ラフを描いているとイメージはできるけど実際に描くのは難しい(描けない)という場面も非常に多いでしょう。しかし、イメージさえちゃんとできていれば、描くのが難しいものは資料等を参考にして描けば良いのです。「何も見ないで描くのがエライ」ということはないため分からない部分は資料を参考にしましょう。プロでも資料を活用しています。 自分の描きたいものを描くのに外部の資料に頼るのはおかしいという考えの人もいるかもしれないですが、何度も描くようにオリジナルは模倣の上で完成していきます。オリジナルのメカが魅力的な鳥山明先生の作品も実際の機械を描きその構造を理解しているからこそ魅力的なオリジナルメカが描けるわけです。 というわけで、ラフが描けない場合は「しっかりとイメージを固める」「分からない部分は資料を参考にする」という2点が重要だと思います。 なお、ラフは1つの絵に対して1つという決まりはありません。同じキャラの同じシチュエーションでも複数のラフを描いてもいいのです。線画を描き終わったり、塗り終わった段階で最初にイメージしていたのと何か違うなぁと思う場合は実はラフの段階でイメージ通りの表現ができてなかったりします。ラフを複数枚用意してどちら(どれ)がいいかを選択するようにすれば自分が描きたいイメージの絵をより確実に描けるようになります。 |
《補足説明》 パースについて 「パース」とは何かというと「パースペクティブ」の略で日本語だと「遠近感」となります。要するに距離感を表現するというわけです。これは一般的なパースの説明でよく利用されている線遠近法だと近いものは大きく遠いものは小さく描くということです。言葉で説明するだけならばこれですべてですが、実際にやろうとすると覚えておくべきことがたくさんあります。 「パース」は難しいというイメージを持っている人も多いでしょうが、実はそれほど難しく考える必要はありません。覚えることが多いけど少しずつ覚えていけば良いためです。 自分がイメージした絵を描くために必要なのは「どこから見たものを描くか」ということだけです。キャラを描く場合にはキャラの頭よりも高い位置にカメラを設定して描写するのと足下にカメラを設定して描写するのとでは異なるし、キャラの正面にカメラを設定するのと斜め右にカメラを設定するのとでもまた異なります。もちろん、カメラの距離が近い場合と遠い場合でも異なります。 カメラの高さが「アイレベル」となり、カメラの向きで一点透視になったり、二点透視になったり、三点透視になったりします。カメラの距離によって被写体が大きくなったり小さくなったりするけど実際は望遠レンズを使ったり、広角レンズを使ったりすればメインとなる被写体の大きさをほぼ一定に保つことが可能です。その際には距離に応じて奥行きの圧縮が発生します。 このようにカメラを置く位置(置き方)ですべて決まるわけです。「先に消失点を決めて描く」なんて方法を採るとカメラを自由に置けなくなってしまうためイメージ通りの絵を描くことが難しくなります。初心者向けの教本で「最初に消失点を取って描く」というのを行っている場合が非常に多いのは「描いている人がすでにパースの感覚が身に付いているため内容を端折っているためです。ほとんどの教本では肝心な部分がないため初心者の人は理論は理解しても実践で活かすことができないのです。 パースだけで本が何冊も書けるレベルの内容になるためここではこれ以上の説明はやめておきます。 パースについてもっと勉強をしてみたいという初心者の方は私の「初心者向けのパース講座」がオススメです。(パースの勉強をしてある程度理解しているという人でも参考になる部分があるかも) 書店に並んでいるパースについて記述しているお絵かきのガイドブックでは肝心な部分が書かれてないことが多くネット上で個人が行っているパース講座では「パースはカンや日頃の観察等によって身に着けるもの」とか三角関数等の難しい数学が使用されていたりで初心者にとっては分からないことだらけだと思います。 しかし、私の講座は私のオリジナルの手法によって簡単な四則演算ができる人であれば誰でも正しいパースで描くことができるという素晴らしい内容となっています。(パースはカンではなくきちんとした理論を元に覚えておけば初心者であっても熟練者と同レベルのことができるようになるし、経験年数が多くてもカンに頼るだけではなかなか身に着けることができないのもパースである) 私のオリジナルといっても3DCGの計算式を私の独自手法によって簡略化しただけなので理論的には正しいものとなっています(様々なパターンを考慮し最も誤差が少なく、かつ、計算が楽になる式を導きだした)。また、一般的なお絵かきのガイドブックやパース講座では画角90度という超広角レンズを基準にして解説している場合が多くその場合はどうしても不自然なパースになりがちなのですが、私のパース講座は標準レンズを基準にしているため不自然なパースになりにくいし、三角関数を使わずに任意の画角で描画が可能というメリットがあります。 |
下書きにかかった時間は30分くらい
ここまで合計40分くらい
《補足説明》 ベクターレイヤーによるペン入れについて 本講座の作例ではペン入れは、普通に濃度100%の鉛筆ツールで描いていきましたが、ペンタブに慣れてない人は下書きの上をなぞってその通りに線を引くこと自体が困難という人も多いでしょう。デジタルの場合はアンドゥ(やり直し)が何度でもできるので思い通りの線が引けるまで描くとか、線がねじれたりした部分を消しゴムで消して線画として仕上げる(描いて削るの繰り返しを行う)という方法もあります。 それさえも難しいという人はベクターレイヤーを使う(ペジェ曲線やスプライン曲線を使って描く)という方法があります。SAIの場合は「ペン入れレイヤー」がそれに相当します。レイヤータブから新規レイヤーを選択する際に「新規レイヤー(ペン入れ)」を選択すればそのレイヤーはペン入れレイヤーになります。 ペン入れレイヤーで描いたものは線が曲がっているポイントの部分(制御点)を描いた後でも自由に調整が可能となっています。SAIでは制御点の移動を使って下書きのラインに重なるようにペン入れの線を動かすと下書き通りのキレイな線画が出来上がります。このペン入れレイヤーは描いた後で強弱をつけることも可能なのでマウスで描いた均一の太さの線をペンタブで描いたような強弱のある線にすることも可能です。 PhotoshopやGIMPならばパス機能を使えば良いです。 SAIのペン入れレイヤーで描いた線は非常にキレイなのですが、制御点を1つずつ動かすのは「絵を描く」という感覚から外れすごく面倒な作業となるため描くのが楽しくなくなる可能性があるし(これは私の主観ですが)キレイすぎて無機質に感じるためこの方法で普通の絵のペン入れをするのはあまりオススメしません。とはいえ「ペンタブではまともに線が引けない」という人の選択肢としてはありだと思います。ラフや下書きをペンタブで描いていれば徐々にペンタブに慣れるのでそのうちこのペン入れレイヤーの機能に頼らなくても普通にペン入れができるようになると思います。(ペン入れレイヤーを使うことには抵抗はないけど線画がキレイすぎて気になるという人はPhotshop等を用いて線画に対してノイズを加えるとアナログっぽい感じが出せる) 強弱のある生き生きとした線ではなくデザイン画やSDキャラ絵のような均一の太さの線の絵の場合はこのペン入れレイヤーは非常に有用です。ベクター形式であるためキャンバスを後から拡大縮小しても線が劣化する心配はありません。ただし、このペン入れレイヤーはSAIの独自機能であり、フォトショップ等の別ソフトと連携するためにpsd形式で保存した際にはベクターレイヤーはラスタライズされてしまう(制御点の情報が無くなり普通のレイヤーになる)ため注意が必要です。 |
ペン入れにかかった時間は2時間くらい
ここまで合計2時間40分くらい
下塗りにかかった時間は30分くらい
ここまで合計3時間10分くらい
陰影塗りにかかった時間は1時間20分くらい
ここまで合計4時間30分くらい
これが公開時の原寸大サイズです |
仕上げにかかった時間は20分くらい
ここまで合計4時間50分くらい
《補足説明》 バックアップのススメ デジタル絵というのはやり直しがいくらでもできるというのがアナログ絵(紙などに描いた絵)と比べて大きな違いがあります。アンドゥの回数は使用するソフトやPCのメモリ搭載量等によって変わりますがかなりの回数分だけ遡ってやり直すことができます。 例えば、「塗りレイヤーではなく線画レイヤーに色を付けて塗ってしまった」とかは絵を描き慣れていても発生してしまうミスですが、これも早い段階でミスに気づいていたらアンドゥで遡ることでミスを無かったことにすることが可能です。(ただし、数回、数10回戻るハメになるためその間の作業は再びやり直す必要がある) では、アンドゥがあれば万全かというとそうではありません。それは遡れないほど前にやってしまったミスは取り消すことができないためです。さらにデジタル絵を描いていて厄介なのは人為的ミス以外の要素です。 これは、「PCがフリーズした」「停電した」「電源プラグが抜けた」などPCを使っていれば経験があることばかりでしょう。停電対策についてはノートPCを使って描く、UPS(無停電装置を使う)などの対策ができますが、フリーズ対策は余計なソフトを立ち上げない以外の方法はありません。あと厄介なのはウィンドウズアップデートで自動的に再起動してしまうことです。これも設定で回避が可能ですが、結構やりがちな失敗だと思います。 そういう時に必要なのがバックアップです。 バックアップの話をすると「こまめに保存しておく」と思う人が大半でしょう。確かにこれは描いていると意外に忘れがちです。こまめに保存しておくのが重要といってあまりその間隔が短いと大きなミスを発見して「セーブポイントからやり直す」という場合に保存されたデータはミスをしていた後のデータとなり身動きができない状態になる可能性があります。 バックアップの重要性はそういった場合にも活かされます。つまり、定期的に上書き保存するのではなく連番で別名保存していくということです。こうすれば、1つ前の保存データの時点ですでにミスがあっても2つ前のデータは無事かもしれません。より神経質な人だと保存するメディアも複数用意しておけば突然内蔵のHDDやSSDが死んでも対応が可能になります。 バックアップにどこまで求めるかは自分が継続可能な範囲内で決めれば良いと思います。複数メディアへの保存は難しくても連番保存は難しくないため普段からやっておくといざというときに非常に助かります。(丸一日の作業がパーになったとなったら笑うに笑えない) |
《補足説明》 お絵かきの勉強は自分の興味あることからやろう お絵かきの教本というのは書店にたくさん並んでいます。ネット上での講座というも本講座だけではなく非常にたくさんあります。書いている内容は多種多様ですが、ここで重要なのは必要以上に手を出さないということです。 これは本講座においても言えるのですが、同じ部分を読んでも人によっては非常に有用なものである可能性があるし人によっては現状では活かせないもの(不要である)可能性があります。本講座では「なるほど分からん」という状態がなるべく起きないようにするためできるだけ詳しく具体的に書いていますが、いくら詳しく書いてもそれを使える場面が分からないとか必要性を感じないという人もいるでしょう。 講座や教本等を読んで分からないことはさらに詳しく分かりやすく書いている講座や教本を読めば良いのですが、使う場面が分からないことは現在の自分には不要なことなので軽く目を通すだけで問題ありません。確かに知っておけば、「ここであれを使えばいいんだ!」と気づくと思いますが、それ以上に有用性が分からない状態(興味がない状態)で勉強しても身に付かないため現在の自分に必要なこと(興味があること)から勉強していくのが得策です。 こうすると「興味がないことは一切身に付かないのでは?」と思うかもしれませんが、趣味で描いているならばそれで問題ありません。「こういうのができないけどできるようにしたい」と自ら思うようになってから勉強しても遅くはないということです。 お絵かきは楽しいけど勉強と聞くと嫌になる人も多いでしょう。しかし、興味があること現状の自分に必要なことは嫌なことではないはずです。長く続けるならば自分の興味範囲を少しずつ拡大していけば良いのです。「勉強」と考えて頭の中に無理矢理詰め込む必要は一切ありません。 お絵かきに興味がある人は多いですが、お絵かきが長く続かない人は無理に勉強しているためです。勉強をするとどうしてもそれに対する結果を求めます。結果というのは必ず付いてくるという保証ができるものではありません。 したがって、描くのが楽しいという状態をいかに継続できるかが上達には必要になってきます。 |
通常 | そのままの色 |
乗算 | 重ねた部分は暗くなる(重ねた色が反映されるため色相も変わる) |
スクリーン | 重ねた部分は明るくなる(乗算の逆) |
減算 | 重ねた部分のRGB値の分だけ単純に暗くなる(重ねた色が反映されるため色相も変わる) |
加算 | 重ねた色のRGBの分だけ単純に明るくなる(減算の逆) |
オーバーレイ | 重ねた色相によってスクリーンと乗算を使い分ける(鮮やかになることが多い) |
ソフトライト | 50%グレーより明るい部分は覆い焼き、暗い部分は焼き込み(コントラストが上がる) |
ハードライト | 50%グレーより明るい部分はスクリーン、暗い部分は乗算(色相が変わりコントラストが上がる) |
覆い焼きカラー | 色相を変えずに色を明るくする |
焼き込みカラー | 色相を変えずに色を暗くする |