超高速描画システムOPAS

ついにその全貌が明らかに!!

 OPASとは「Ochame's Pockecom Animation System」の略でE500のBASICで高速にグラフィック表示をするシステムのことです。フォント書き換えを理解している人なら誰でも使うことができ、しかも、高速なので今まで速度的にBASICでは諦めていたようなゲームでさえ作成することが可能になります。
 私が作成した「シュプール」(ベーマガ97年3月号掲載の3Dスキーゲーム)もGPRINTのみだと絶対に不可能(1回の画面表示に約2秒かかってしまう)なのですが、画面表示速度が30倍以上(約60m秒)になったためにトータルでも20倍の速度にすることができました。ベーマガ97年7月号に掲載された「パネルQ」はオールBASICなのに編集部の人にマシン語ゲームと間違えられたくらい高速なのです。OPASがどの程度の効果があるのかを表したのが次の仕様表です。

> OPAS 仕様表
OPAS用データエリア

  • データ量の制限(64文字制限)なし(一応)
    搭載メモリをフルに使用可能

最大アニメーションエリア

  • 240×32ドットフル画面
    1つのPRINTで画面全体を書き換えることが可能

グラフィック描画速度

  • 平均GPRINTの10倍速
    96×32ドットの場合 最高12コマ/秒
    24×24ドットの場合 最高40コマ/秒
  • 1つのPRINT文で最大4種までの独立したアニメーションが可能
    24×24ドット×4種の場合 最高12コマ/秒

横スクロール機能

  • 最高でGPRINTの100倍速
  • ドット単位のスクロールが可能
    96×8ドットの場合 最高40コマ/秒
    4ライン同時(4重スクロール)まで可能

多階調表示機能

  • 最高で48×32ドット4階調
    もしくは24×24ドット8階調
    (画面のちらつきを我慢すればもっと大きい面積も表示可能)
  • アニメーション機能と組み合わせて多階調アニメーションも可能
    (その場合フレームレートをかなり落とす必要があります。)

 これを見て分かるように、OPASを使えば画面表示に関して10〜100倍程度高速化(あくまでベンチマーク上なので実際のゲームでこれだけの速度が出るとは限りません)されるためにBASICの可能性を大きく広げてくれます
 しかし、速度ばかりに気を取られてはいけません。速度だけなら当然のことながらマシン語の方が速いのです。OPASの一番の特長はもっと別の部分にあります。何かというとOPASの表示の基本がPRINT文なので、BASICの範囲内で自由にかつ手軽にカスタマイズが可能だということです。
 しかも、E500シリーズに標準搭載されている機能(簡単に言えばフォント書き換えの改良版)なので余分な追加プログラムは一切不要なのです。これはどんなマシン語グラフィックソフトにも実現不可能なことです。仮に優れたマシン語のグラフィック表示プログラムがあっても、数Kバイトの容量を必要としますよね。それを使ってゲームを作った場合、ゲーム本体とグラフィック表示プログラムの両方をプレイヤーに提供する必要があるのです。
 そうなるとグラフィックプログラムが自作のものなら問題ないのですが、他人のものだとそのプログラムの著作者に許可をもらうことになります。これが、仮にフリーソフトだとしても、ベーマガなどの雑誌に投稿する場合に困ってしまいます。多くの雑誌の場合は紙面に限りがあるために一旦発表したテクニックやプログラムに関して再び掲載してくれる可能性はかなり低いのです。つまり、そのマシン語グラフィックソフト対応のゲームを投稿した場合、掲載されるのはゲーム本体のみになってしまい、グラフィックソフトに関しては「〇〇月号参照」という形になってしまうのです。ここで困るのが、その号が手元にない人です。その人は事実上そのゲームをプレイすることすら出来ないのです。
 これが、一般的なパソコンソフトならば、そのゲームをプレイするのに別のソフトが必要という場合は、市販品があったり、ネット上にあったりして手に入れるのも容易なのですが、ポケコンでは困りものです。市販ソフトは皆無だし、ネット上に優れたソフトがあっても、ポケコンとパソコンを接続する手段がないという人が多数いるためにソフトの入手は極めて困難です。
 つまり、ポケコンにおいては自作ゲームを不特定多数に配る場合、少しでも多くの人にプレイしてもらいたいのなら標準装備の機能(もしくは著作権フリーのごく短い追加プログラム)で賄うのが無難なのです。つまり、そのソフト単体で動くようにするのが最も確実なのです。もっとも、個人的な使用や友達の間で使うのなら、優秀なE500のプログラマーが作った高性能なマシン語ルーチンを搭載したゲームを作っても全く問題にはならないでしょう。というか、どんどん使ってもらった方が、せっかくつくって下さったプログラマーの人も喜ぶというものですね。

 以上のことからOPASというのは「早い」「安い」「うまい」ではないけど「速い」「短い」「カスタマイズしやすい」と三拍子そろっているということです。
 何だかすごいもののようですが実はぜんぜんすごくありません(笑)。要はただの「発想の転換」です。聞いてみれば、「な〜んだ!こんなことか!」と思うかも知れません。だからこそ誰でも使用することができるのです。
 今回、OPASの概要のみについて書きましたがいかがでしょうか?ご意見、ご質問、ご感想などありましたら遠慮なくお願いします。


さらにOPASを活用したい人へ→OPAS応用編


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