プチコンTips

画面撮影時の注意

  (1)2SCを使ってスクリーンショット撮影する
  (2)カメラを使って静止画を撮影する
  (3)カメラを使って動画を撮影する
  (4)偽トロキャプチャを使って画面キャプチャする
  (5)私の撮影環境

 各項目の最後の部分にまとめを書いています。全部読んでからまとめを読むという方法でも良いですし、まとめを先に読んでそれで分からなかったら各項目の本文を読むという方法でも良いと思います。


(1)2SCを使ってスクリーンショット撮影する

 プチコンにはスクリーンショット撮影機能は用意されていません。しかし、わぁい@(天郷思音)さん作成の「簡易スクリーンショットカメラ」(外部へのリンク)(以下「2SC」と略す)を使えば簡易的なスクリーンショットが実現できます。この原理を簡単に説明するとコンソール文字やスプライトやBGをすべてGPUTCHR命令を使いGRPに描きそのGRPファイルをPTCファイルとしてSDカードに書き出し、そのPTCファイルをPCでBMPやPNGなどにに変換するというものです。変換には有志の皆さんが作ったツールを使ってください。(非公式なものなのでsmileboomに問い合わせたりせず自己責任で行ってください)


 ただし、2SCを利用するためにはGRPへの書き出しが前提となるためある程度プチコンの知識が必要になってきます。表示座標が分かっているのに自動的に表示しているスプライトやコンソール文字をGRPへ描き出すことができないのはプチコンでは表示しているキャラのパレットを取得できないためです。
 2SCで注意する点としては第7回プチコン講座のコラムで書いたようにGPUTCHR命令はGRPのパレットに影響を与えるという点です。スプライトで使用しているパレットでの表示をGRP面で使用している場合はそれと重ならないようにスプライトのパレット変更(別のパレット番号にそのパレットの色をコピーする)が必要になります。COLSETでパレットを書き替えている場合にGRP面、スプライト、BG、コンソールで合計の表示色数が255色を越える場合には正確な色で表示することはできません。
 また現状の2SCではスプライトの拡大縮小回転には対応していません。(200%ちょうどの拡大のみ対応)

 以上の点を理解して正しく使えば無劣化の極めて美しいスクリーンショット撮影が可能になります。数フレームごと撮影していけばGIFアニメによる動画は可能になりますが、1コマごと考えながらGRPへ描き出す必要があるし、プチコンの保存領域はあまり大きくないため少々辛いです。


 《 まとめ 》
  • 現時点で無劣化のスクリーンショットを撮る唯一の方法
  • 使用するにはそれなりの知識や手間が必要だけどそれに似合う結果は得られる


(2)カメラを使って静止画を撮影する

 手元にデジカメやカメラ付きケータイ、スマホなどがあればそれを使って画面撮影することも可能です。これで注意すべき点は画面の写り込みブレです。
 最初にDSの画面の明るさは「最大」ではなく「下から2〜3番目」くらいにしておくと良いでしょう。これはデジカメ(特にコンデジやスマホのカメラ)のダイナミックレンジが狭いため明暗差の大きなものを画面内にある場合には明るい部分の色が飛んでしまうためです。3DSでプチコンを使用している場合にはプチコンを一旦終了させるという必要はなくHOMEボタンを押した後にSTARTボタンを押しながら十字ボタンの上下を押すことで明るさを変更できます。(これはプチコンだけではなくすべてのDS用ソフト使用時に有効)

 まず、「写り込み」についてですが、これは画面の反射によって起きる現象です。したがって、反射のない暗い場所で撮影するのがベターとなります。夜間だとカーテンを閉めて電灯を消せば容易に実現できますがそれは日中ではかなり厳しいです。しかし、ダンボール箱などを使いその中にDS本体を入れてダンボールにカメラのレンズ分の穴を開けてダンボールの外から撮影すれば手軽に真っ暗の空間を手に入れることが可能になります。(部屋の中を暗くして撮影する場合にはフラッシュを使って撮影したら全く意味がないので事前にフラッシュを発光停止させるのを忘れないように)

 次に注意すべき点がブレです。ブレには「手ぶれ」と「被写体ぶれ」の2種類があります。
 手ぶれを防ぐにはある程度のシャッター速度が必要です。一般的にはレンズの焦点距離分の1秒よりも速いシャッター速度が必要と言われていて35mmカメラ換算で50mmの焦点距離のレンズならば1/50秒よりも速いシャッター速度が必要になります。手ぶれ補正機能があればこれより少し遅くても問題はありません。シャッター速度がよく分からないという場合には三脚を使うか別の何かで動かないように固定し、シャッターボタンを押すときもセルフタイマーを使ったりしてぶれないように気を付けて撮影すると良いです。

 もう1つのブレである被写体ぶれについても書いておきます。ゲーム画面というのは常に動いています。それを遅いシャッター速度で撮影した場合には画面を動き回っているキャラがぶれてしまいます。ブレで動きを演出したいという意図がある場合を除きはっきり見えている方が良いですね。
 そこでゲームに一時停止機能(ポーズ機能)を付けると良いでしょう。これは特定のボタンを押すことで解除ボタンを押すまでループする処理を行うだけなので簡単です。よく分からない人は「一時停止機能を付ける」を参考にしてみて下さい。これでもスプライトの自動補間を使用している場合は動き続けます。その場合は一時的にプログラムの改造をして自動補間を行わないようにするか1/60秒以上のシャッター速度で撮影すれば停止させることが可能です。(自動補間がありBRAEKしても動き続けるゲームの画面写真をぶれないように撮影してみた写真がこちら。動きを止めるため感度をISO6400まで上げる必要があった)

 写り込みやブレ以外の撮影時の注意としてはできるだけ画面をカメラに対して垂直に向ける必要があります。ずれている場合には長方形の画面が台形に写ってしまいます。これはPhotoshopなどの画像処理ソフトで自由変形機能を使えば長方形に直すことも可能だし、Web検索すれば台形補正ができるフリーウェアはたくさん見つかるのでそれを活用するのが良いでしょう。
 ズームレンズを搭載ならばレンズの広角側よりもすこしズームした状態の方が広角レンズ特有のわん曲収差(直線が曲線で写る)が減るためベターです。ただし、多くのデジカメは広角レンズ側でしかマクロ機能が働かないためその場合は撮影後にトリミングをすれば解決できます。

 撮影後の注意点についても書いておきます。
 プチコンの画面解像度は256x192であるため無駄に写真のサイズが大きくても無意味なので公開する場合にはVGA(640x480)〜SVGA(800x600)程度のサイズにリサイズしておくとよいでしょう。twitterに連動している画像投稿サービスならば大抵は上限がありそれを越えたら自動的にリサイズされるため問題ないと思います。私が利用しているtwitpicは自動的に横600pixelに収まるようにリサイズされます。もちろん最初からWeb公開用のサイズ(横640pixel)に設定して撮影するというのもありです。
 あと余裕があれば色や明るさなども調整すると良いでしょう。Photoshopを持っていれば自働レベル補正で一発でそれなりにいい感じにできます。


 《 まとめ 》
  • 暗い場所で撮影しぶれないように気を付ける
  • ぶれないためには三脚を使うのがベター(手で持っても十分撮れる場合もある)


(3)カメラを使って動画を撮影する

 動画の場合も静止画撮影と基本は変わりません。写り込みを防ぐため暗所で撮影して手ぶれを防ぐため三脚などに固定して撮影する必要があります。
 動画の場合はこれより他にAFの問題があります。静止画ならばピントが合ってからシャッターボタンを押せば良いのですが、動画の場合はそういうわけにもいかず「OK」の文字だけが出た黒画面だとAFではほぼピントが合わないのでスタートしてからはしばらくはピンぼけの状態になります。最初に画面に何か表示した状態にしてピントが合ってから撮影ボタンを押すと良いでしょう。そういう面ではピント合わせが手動(MF)や固定のカメラだとAFで迷う心配がありません。(一眼レフなどのレンズ交換式カメラや一部のコンデジはMFが可能)

 カメラで撮影しながらだとゲームをプレイするのは難しいし、ダンボールに入れた状態ではボタン操作さえできません。それを解決するにはリプレイ機能を搭載するという方法があります。リプレイ機能についてはこちらを参考にしてみてください。静止画とは異なり動画の場合は台形補正が面倒なので撮影時にはできるだけ画面をカメラに対して垂直に向けるようにすると良いでしょう。

 撮影時の注意点はこれくらいにして公開時の注意点について書いておくと動画はプレイ動画の垂れ流し(編集無し)ならば見る方はすぐに飽きてしまうので1分以内に収めておく方が良いでしょう。もちろん飽きさせない自信がある人ならば編集時に工夫を凝らせばこの限りではありません。
公開サイトにおいては動画共有サイトは多数ありますがその中で国内でトップ2のYouTubeとニコニコ動画について書いておきます。
 YouTubeはアップロードできる形式の動画が多く2GBのサイズファイルまでアップロード可能となっています。あとHD(720p)やフルHD(1080p)や3D立体視にも対応しています。あと元々北米のサービスであるため海外ユーザーの閲覧も多いです。
 ニコニコ動画は一般会員で40MB、プレミアム会員でも100MBというファイルサイズ制限が厳しいです。また一般会員には解像度720p、ビットレートは600Kbpsまでという制限があります。サーバエンコも可能ですが、汚くなるため前もってニコ動に適した形式でエンコしておくと良いでしょう。検索がYouTubeよりも優れており、画面上にコメントを残せる機能が大きな違いです。これによって閲覧者からのコメントという形での反応を得やすいのがニコ動のメリットといえます。
 その他にも動画共有サイトは多数あるので自分に適したものを選択すると良いでしょう。


 《 まとめ 》
  • 暗い場所で三脚などで固定して撮影する
  • 閲覧者が飽きないように短時間の動画にするのがベター


(4)偽トロキャプチャを使って画面キャプチャする

 DSには外部出力の映像端子は無いですが、ハードウェアの解析によってどのピンから出力されているのか分かったため本体を改造することで外部出力が可能になります。外部出力ができればそこから録画するなりPCでキャプチャするなり自由にできるし、デジカメで画面撮影を行うようにキレイにできます。
 キャプチャキットは2万円程度で入手可能ですが、はんだごてを使って自力で改造する必要があるため電子工作の経験がない人にとってはかなりハードルが高いです。これは改造を申し込めば行ってくれますが、キット購入と同時に申し込めば改造費用は無料になります。また、すでに改造済みの本体も売られているためそれを購入するという方法もあります。詳しくはこちらのサイト(外部リンク)をご覧になってください。ノーマルの3DSだとキャプチャキットを内蔵することはできませんが、3DS LLならばキャプチャキットを本体に内蔵することができます。
 画面撮影をしなくても外部出力できれば大画面でプレイ可能になるため自宅ではより大きな画面でプレイしたいという人には良いかもしれません。


 《 まとめ 》
  • それなりにお金はかかるけど最も簡単かつキレイに画面を録画可能
  • 録画したものを公開するときの注意事項は(3)と同じ


(5)私の撮影環境

 私が普段プチコンの画面を撮影している環境は下記のような感じです。
 
デジカメソニー Cybershot DSC-WX100
三脚SOLID KP-1700

 デジカメは他にもデジタル一眼レフ(ニコン D50、PENTAX K200D)を持っていますが、古い機種なので動画撮影機能がないという点や同じく古い機種なので高感度画質の面で劣るため一眼レフならではの画質の良さを発揮できないという点があるためです。それに加えてプチコンの画面撮影ならば撮影したあと小さくリサイズして公開するのでコンデジで撮影しても大して画質差がないというのも理由です。
 また私はマクロレンズを持っていないためDSの画面を大きく写すならデジタル一眼レフよりもばコンデジ(WX100)の方が有利になります。デジタル一眼レフはAPS-Cサイズであっても一般的なコンデジと比べてセンサーサイズが大きく面積で約13倍もため少し画面が傾いたりピント合わせをしてカメラの場所を少し動かしただけでピンぼけしやすい(被写界深度が浅い)ため撮影がシビアになり気軽に撮影できないというのもあります。(被写界深度を稼ぐために絞って撮影すれば手持ち撮影は不可能になる)

 私はWebに公開するレベルのサイズであれば手軽であるため静止画はすべてコンデジで三脚を使わずに手持ち撮影をしています。ISO800〜1600で1/8〜1/15秒程度のシャッター速度ですが、手ぶれ補正機能によってちゃんと構えていれば目立った手ぶれは起きません。(WX100は裏面照射センサーとマルチショット連写によってISO800〜1600でもそこそこ見れる画質になるためそれで十分)
 普及型のコンデジであるためシャッター速度などは手動選択できないため「プレミアムおまかせオート」で撮影しています。場合によっては「-1」〜「-2」の露出補正を行っています。黒背景などの全体の色が黒い場合にはデジカメは暗い被写体と判断してしまうためそれを補正するためです。(逆に全体的に白っぽい場合には「+1」〜「+2」の補正が必要になるけど普通のゲームではあまりないと思う)

 動画においてはさすがに三脚を用いています。ポケットサイズのミニ三脚はいくつか持っていますがそのミニ三脚を置いて撮影するスペースがテーブルの上にないためノートPCのキーボードの上にDS本体を乗せてテーブルの側に三脚を立ててそこから撮影しています。
 編集が面倒なので基本的に撮ったものは編集無しでYouTubeにそのまま公開しています。

  YouTubeのochamenakoチャンネル

 動画撮影前には基本的な流れをイメージしてどのようなプレイをするかを考えています。そのためベストプレイではなくゲームの内容が分かるプレイとなっています。だから、わざと下手くそなプレイをしている場合もあります。(DSの画面を横から見ながらプレイしているのでプレイしにくいというだけというのもあるけど)
 「コンデジによる手軽な静止画撮影」「編集無しによるお手軽な動画公開」によって撮影や公開の面倒くささが大幅に下がり画面写真や動画をほとんどの公開作品に付けることが可能になっています。(せっかくだから凝った動画にしようとあれこれやろうとして面倒だから結局動画無しになるくらいならば垂れ流し動画でもある方が1億倍マシ)

 したがって、普通のコンデジがあれば十分で高価な機材が必要というわけではないです。スマホが固定できる三脚等を利用すればスマホのカメラでも十分でしょう。プチコン3号には標準でスクリーンショット機能(動画機能もあり)が付くことに期待したいです。


 《 まとめ 》
  • 撮影機材の優劣よりも今回書いたようなことを気を付ける方が重要
  • 画面写真、動画があるのと無いのとでは雲泥の差があるので自分でハードルを上げないことが重要



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