プチコン3号入門講座

作ったプログラムを公開しよう


まずはニンテンドーネットワークIDを取得する



 公開キーを使ってダウンロードする場合には3DSがインターネットに接続された状態であれば問題なく行えましたが、公開する場合(より正確にはスマイルブームのサーバにアップロードする場合)にはニンテンドーネットワークIDが必要不可欠になります。
 ニンテンドーネットワークIDは1台の本体につき1個で固定となっていてあとから変更することができません。したがって、IDは慎重に決めましょう。(適当にUNKOとか付けたり、OCHAMEと入れるのではなくOCAMEとタイプミスをしても変更ができずそのIDで固定となる)
 ちなみに私はochame_nakoとしました。

 もちろん、本体を初期化して新規にニンテンドーネットワークIDを設定するということは可能なのですが、初期化をすると今までにダウンロードしたものがすべて失われてしまいます。それを覚悟で初期化するならば問題ありませんが、NNIDが気に入らないから初期化するというくらいであれば最初から良く考えてNNIDを決めるのがベターだと思います。

 公開キーが公開されているプログラムをダウンロード経験した人なら分かると思いますが、このIDはプログラムを公開した際にダウンロードしたプログラムのファイル名の側に付加表示されます。(ダウンロードしたあとに修正して保存したら作者のIDは消えるので改造プログラムかどうかの判断にも使える)

 2017年11月まで運営されていたMiiverseにログインするためにはこのNNIDが必要でしたが、それが無くなってしまったためプチコン3号を使う上でNNIDはそのプログラムをスマイルブームのサーバへのアップロード機能を使いたいか否かで考えれば良いです。自分では作らず他の人が作ったのをダウンロードするだけなばら特に設定する必要がありませんが、そうでないならばNNIDが必要になります。ただし、すでに誰かが使っているNNIDは使用できないため複数の本体を持っている場合は同じNNIDを使用することはできません。(WiiUと3DSで共用は可能)


スマイルブームのサーバーにアップロード



 自分が作ったプログラムを公開する場合には一旦スマイルブームのサーバーにアップロードする必要があります。

 TOP MENUの「作品公開とダウンロード」をタッチして「アップロード(送信)」を選択します。するとどのプログラムをアップロードするかをたずねてきます。ここでプロジェクトごとアップロードしたい場合はプロジェクトを指定してその中の単体ファイルをアップロードしたい場合はファイル名を指定します。(SYSプロジェクトとDEFAULTプロジェクトはアップロードできない)
 なお、スマイルブームのサーバーにはID 1つあたり10個までアップロードが可能です。(1つあたりの最大容量は4MBなので合計では最大で40MB分のファイルやプロジェクトをアップロード可能)

 ※4MBというのはGRP画像ファイルだと8枚分弱、1画面プログラム(編集画面の1画面に収まる小さなプログラム)だと約3144作品分に相当します。

 この時点ではアップロードした本人(そのIDの本体)からしかダウンロードできません。一般公開していない作品をアップロードした本人がダウンロードするには「ダウンロード(受信)」を選択します。
 他の人がダウンロードを可能にするには「二次利用可能な作品を他の人に公開」を行った後になります。

 なお、1つあたり最大4MB、最大10個までアップロード可能という制限に不満を感じる人は下記のように有償のゴールド会員になることで改善できます。上記のように1つのプロジェクトフォルダにまとめて入れることで最大40MBまでのファイルをアップロード可能なのでゴールド会員になるべきかどうかはそれを超えそうになってからでも問題はないです。もちろん、1つのフォルダに4MBギリギリに詰め込むのは面倒なことなので自分が公開している作品の数やファイルサイズで判断してください。

 ちなみに公開されている作品をダウンロードするのには下記のように公開キーが必要であり、アップロードした時点では他の人に勝手にダウンロードされる心配はありません。したがって、自分のプログラムのバックアップ用途として使うことができます。
 また、アップロードしたNNIDが設定された本体(端的にいえば自分が持っている本体)であれば公開キー無しでもダウンロードできます。そのためWiiUのプチコンBIGと3DSのプチコン3号を同じNNIDで使用していればわざわざ公開キーを取得しなくても普通にアップロードとダウンロードでファイルのやりとりが可能なので便利です。


作品を公開する際の注意



 「二次利用可能な作品を他の人に公開」を行う際にはスマイルブームのサーバーにアップロードしたプログラムの中でどのプログラムの公開を行うのかを選択することになります。選択することで簡単な審査(プログラムに問題のある文字列が含まれてないかどうかの機械的な審査だと思われる)が行われて公開キーが用意されます。
 サーバーの混み具合やプログラムのサイズによって異なりますが、公開キーはすぐに用意される場合もあれば時間がかかる場合もあります。

 公開キーはスマイルブームのサーバーにアップロードした一覧のファイルサイズの上にオレンジ色の文字で表示されています。



 この公開キーを公開したい場所で記述しましょう。(公開キーを間違えて書かないように一旦紙などにメモしておくと良い)
 例えばtwitterで公開するときは 公開キー ○○○○ #sbkey というようにハッシュタグ #sbkey を付けると検索することが可能になり多くの人に見てもらいやすくなります。プチコン関係のツイートだと #petitcom というハッシュタグが活用されているのでそれも付けるとさらに多くの人に見てもらえることでしょう。

 なお、プログラムにバグが見つかったり、機能アップをしたりで修正したものを再公開する場合には同じファイル名であっても公開キーが変わってしまいます。そのため前の公開キーでダウンロードしようとしてもできなくなってしまいます。
 これを防ぐ方法は古いファイルも公開をやめない以外に方法はありません。しかし、標準では10個しか公開できないためすべてのバージョンのプログラムを公開したままにするのは現実的ではなく修正版を公開したら修正前のファイルは削除するのが普通でしょう。
 公開キーが変わってしまう対策としては、自分のサイトやブログで公開しているならばすでに記述されている公開キーの部分を書き直せばいいのですが、twitterやMiiverseで公開する場合はそういうわけにはいかないため前に公開したものから変わったというのが第三者が見ても分かるように記述しておくと良いでしょう。(twitterならば古い公開キーを書いた自分のツイートにリプライを付けておくなど)

 あと作品公開をする際に注意するのが公序良俗に反したものや著作権法侵害の恐れがあるものは公開しないということです。公序良俗に反したものというのは端的にいえば「えっちなのはいけないと思います!」ということです。

   ,,v‐v-/l_  (⌒)
  _「/ ̄  く   /
  lYノノ/_ノl_ヽ))
  <イ( l l )l>
  <)'l、"(フノl  < えっちなのはいけないと思います!
  ,(ヨリ<>o<>リ']  
  ト‐!]-ム- i']l
  ヽ_ノv__l/ /
.  ノ[//‐─‐/_/、
 ( /E,   (フlヨ \
 ,- El___lヨ /
└-\`^^^^^^´/
     ̄ ̄ ̄

 個人的にはパンチラ程度ならばギリギリセーフだと思いますがそれ以上は難しいでしょう。
 どうしてもそういうプログラムを公開したい人はプログラムリストとして公開(テキストファイルとして公開するとか編集モードの画面写真で公開)か、プレイ動画を撮影して動画として公開するなどのスマイルブームとは無関係の場所で公開するようにしてください。

 著作権に関しては非常に難しいです。というのもこれは基本的には親告罪だからです。したがって、これは不味いだろうと思われるものをスマイルブーム判断で削除されるかどうかが決まります。
 音楽は著作権保護期間が50年なので自分が作ったオリジナル曲や著作権フリーとして公開されている曲を除き50年以内に作られた曲は公開しても削除される可能性があります。画像に関しても著作権保護期間が50年なので著作権フリーのものか自分のオリジナルでない限りは50年以内に公開されたものは使用しないのがベターです。(二次創作に関しては線引きが非常に難しいためあえてここでは触れない)
 なお、ゲームを移植して公開する場合にはゲームは判例によって「映画の著作物」と見なされているため著作権保護期間が70年もあります。したがって、70年以内に公開された作品を移植した場合には削除される可能性があります。
 削除されるか否かはスマイルブームの裁量にかかっていますが「ちょっと似ている」という程度のゲームだと削除されないかもしれません。(似ているか否かはプチコン3号のサンプルを見ればそれなりに判断は可能)

 いずれにせよ「せっかく公開したのに削除されてしまった」ということがないように十分に気を付ける必要があるでしょう。(音楽の場合は耳コピしたもののであっても著作権法違反になりかねないためプチコン3号で公開することはできませんが、どの程度の完成度かを聴いてもらいたいというだけならばニコニコ動画やYouTubeに投稿するという方法があります。これらのサイトはJASRACと包括契約しているため一般に市販されている音楽の大半の楽曲ならば耳コピしたものを自由に公開が可能となっています。(それ以外のサイトだとJASRACに訴えられる可能性があるため注意が必要)
 市販ゲームをほぼ完全な移植を行ったゲームの場合もプレイ動画であれば著作権法違反で訴えられる心配はほぼありません。著作権的に問題がありそうな作品は「自分だけで楽しむ」かどうしても第三者に見て(聴いて)欲しければ動画で止めておくのがベターということです。(プレイ動画に関しては厳格には著作権法の公衆送信権に抵触してしまうけどゲームの場合はプレイして楽しむものなので新作のネタバレなどのゲームの価値を下げてしまうものでない限りはほとんどお咎め無しという状態であり、8bit時代の作品のプレイ動画ならばほぼ問題はない)

 100%オリジナル作品というものを作るのは不可能で多少は過去の作品に似るのは仕方がないことです。似ている作品がダメかどうかは著作権者が決めることであり、その作品によって不利益を被ってない限りは大抵の場合はスルーされるのでそこまでビクビクしながら作る必要もないです。(少しやばそうな作品をスマイルブームの独自判断で削除するのは場所を提供をしている側とすれば法的なトラブルを未然に防ぐための当然の対応であり「著作権者でも無いのに勝手に削除するな!」と責めることはできない)
 市販のゲームなどとそっくりな作品(移植作品)であっても移植元作品の著作権者に許可を得て移植している作品ならば問題はないのでそういう作品の場合は許可を得ていることをスマイルブームの方に報告すれば良いです。

 ゲームを作る際には市販のゲームを元にしたキャラを自分の作品として公開キーを取得することはできない(作って自分自身が楽しむならば全く問題はない)のですが、ver.3.3.0から対応しているカタログIPだけは例外です。これは市販の作品のキャラや音楽を使う権利を著作権者から正式に得ることができる数少ない方法です。  カタログIPでは登録しているキャラや音楽は自由に使えますが、元の作品と同じルールの作品を公開することは禁止なので注意が必要です。

 ちなみに「ゲームのルール」というのはアイデア扱いなので著作権で保護される対象外となります。したがって、似たようなルールのゲームを作っても基本的には問題となることはありません。とはいえ、テトリスだけはルールが著作権として保護されている数少ない例外なのでプチコン3号でテトリスを作って公開することはできません。テトリスでは7種類のブロックとフィールドサイズが本家と合致したものが2012年にアメリカの裁判で著作権の保護対象となった判例があります。(ブロックを操作して一列揃ったら消すというアイデアに関しては裁判では問題視されてない)
 名称に関しては著作権ではなく商標権で保護されているため市販のゲーム(著作権は公開した時点で発生するのに対して商標権は出願しない限りは保護されないので商標権で保護されるのはほぼ市販のゲームのみ)と同じタイトルを付けない方が良いでしょう。例えばオセロゲームを作って「オセロ」という名称を使うことはできません。(「オセロ」はメガハウスの商標)

 あと注意しなくてはならないのは作品を公開する場合には作品の二次利用を認めるという形になるということです。この作品はオリジナルの状態で遊んで欲しいから「改造は禁止」とかいう制限を個別に付けることはできず、ダウンロードしたユーザーはその作品(プログラムや画像など)を自由に改造等を行うことができます
 これは、公開キーが公開されているゲームで使われているキャラとか自作関数とかを自由に使ってプログラムを作ることが可能ということです。別の公開ゲームのシステムに別の公開ゲームのキャラを組み合わせただけで「作品」として発表(公開キーを取得)することが可能になってしまいかねません。(ゲームのキャラの絵や音楽、プログラムのソースコードは著作権の保護対象となっている)
 公開することでその作品の著作者人格権が失われてしまうことはあってはならないことです。つまり、「少し改造しただけのプログラム」をあたかも「(ダウンロードした)自分が作った作品」として公開するのは良くないということです。
 しかし、改造を自由に行ったり、改造したものを自由に公開しても問題ありません。改造した作品を自分が作った作品(自分に著作権がある作品)として公開する場合に問題が発生する場合があるということです。この辺は具体的に書かれてないので制作者が「改造したものを自由に自分の作品として公開してもOK」といえばOKになるし、「ダメ」といえばダメになります。基本的に著作権法は著作権者とその利用者の間でのやりとりとなるため第三者が口だしすることは良い結果を招きません。当人同士以外の著作権関係のトラブルにはあまり口だしをしないようにしましょう。


ゴールド会員になって公開可能数の不満を解消



 さて、プチコン3号でユーザーが公開可能なプログラム数量は上記のようにプロジェクト/ファイルは最大10個、1個当たり最大4MBとなっています。
 10個を超えても古いファイルをサーバーから削除することで新しいファイルを公開可能になりますが、同時に公開可能な数が10個というのは少ないというのには変わりません。その際にはプロジェクトフォルダに複数のファイルを入れておけば合計4MBになるまで公開可能なので少しはマシになりますが、多数の中の1つの小さなファイルを更新するだけで4MB分のファイルをアップロードやダウンロードをするというのは大変です。
 また規模の大きなゲームを作ろうとすれば1フォルダあたり4MBの制限もやってきます。データの圧縮プログラムを活用すれば多少は何とかなりますが、それでもやはり限界があるし、圧縮ファイルを解凍する時間も馬鹿にはできません。そのためすでにプロジェクトフォルダ2つ分というゲームも公開されています。

 従来だと公開可能数の制限を超えるためにはもう1台本体とプチコン3号を買い増しして別のアカウントを作るしかなかったのですが、ver.3.2.0からは有償で公開可能数と容量の拡大が可能になりました。30日で100円90日で300円180日で500円(180日が1日あたりで一番安い)のゴールド会員になることで公開可能数は10個から100個へと10倍アップ、さらに公開可能サイズも最大4MBから20MBへと5倍にアップします。
 もちろん、この有償のゴールド会員のサービスが始まったからといって従来の無償サービス(最初にプチコン3号を1000円出して買えば毎月のサーバー使用料は不要)が低下するというわけではなくあくまで有償によってサービスがプラスになるだけなので「有償サービスが始まったので残念」とか思う必要はありません。(むしろ、企業として考えると無償オンリーではなく有償サービスもあった方がサービスそのものの長続きが期待できると思う)


画面の写真を撮るためには



 画面のスクリーンショットは自分が作ったゲームの紹介をしたり、プレイの様子をtwitterなどのSNSで共有したり、プログラムで分からない部分を他人に聞いたりするのに非常に有用です。(もちろん、お絵かきソフトを使って描いた絵を公開するのに使ってもいい)
 プチコンBIGであれば画像投稿ツールで簡単にスクリーンショットを投稿できましたが、プチコン3号では、ver.3.6.0からスクリーンショット撮影が可能になりました。スクリーンショットは[SELECT]ボタンを押すことで撮影が可能です。撮ったスクリーンショットはSDカード(もしくはmicroSDカード)に入っているので「ニンテンドー3DSカメラ」で確認することができます。
 旧3DSではこのスクリーンショットをtwitter等に投稿が可能ですが、New 3DSではデフォルトでフィルタリングが有効になっていて画像を投稿するにはこれを解除する必要があります。これには手数料として30円(+税)がかりますが、クレジットカードが必須となっています。これは、非常に不便な仕様ですが、子供が勝手にフィルタリングを解除しないようにするための措置なのでやむを得ません。(カメラで撮影した写真をいけないことに使用してしまい保護者からのクレームがありそのための対策として行ったこと)
 クレカを持てない子供や大人の人でもクレカを持ってない人は簡単に入手できるクレジットカードである「Vプリカ」などを使って解除するという方法がありますが、SDカードの中にすでにスクリーショットの画像が入った状態であるため3DS単体ではなくPC等を持っていればそれを使うのが最も簡単です。

 PCを使う場合は、SDカードをPCに挿してDCIMフォルダからそこから目的となる画像を見つけてやれば良いです。いちいちカードを抜き差しするのが面倒という場合はNew 3DSであればwi-fi経由でカード内の画像を見ることが可能です。wi-fiが使える場所で(ネットワークの設定を行った後に)ホームメニューの「設定」から「パソコンでのmicroSDカード管理」を選択します。そして、「本体名(ネットワーク上の名称)」、「ユーザー名」「パスワード」を設定した後にPCのネットワークから本体名を選択し、ユーザー名とパスワードを入力すればwi-fiの届く範囲であればいくら離れた場所からでも3DS本体に入っているSDカードの画像を見ることができます。例えば、本体名が「3DS-0721」、ユーザー名が「ochame」、パスワードが「4545」ならばPCのネットワーク画面から「3DS-0721」を選択して、「ochame」と「4545」を入力すればOKということです。

 まだ、ver.3.6.0へとバージョンアップしていない人や静止画ではなく動画を撮りたいという人は残念ながら3DS本体だけではできません(プチコンBIGならばHDMI経由でキャプチャできる機器を使えば動画の保存が可能)。しかし、デジカメを使って撮影すればOKです。高価な一眼レフは不要でスマホのカメラ機能でも十分です。ただし、ブレやすいため三脚は必須です。100円ショップの安価なものでも特に問題はないのでとにかくブレ対策を行うことが何より重要です。
 あとは、映り込み防止のため部屋を暗くしたり、露出設定を行うことが必要になる場合があります。それらについては以前プチコンmkII用に用意した「画面撮影時の注意」に詳しく書いているので参考にしてみてください。(リンク先の(1)に書かれているものはプチコンmkII用のプログラムであるためプチコン3号では使えないけどそれ以外はプチコン3号を使用時でも問題はない)


公開しても「反応がない」というのを無くすためには



 プチコン3号やプチコンBIGでゲームやツールを作ったという人はぜひtwitter(外部リンク)Petitverse(外部リンク)プチコン3号&BIGまとめwiki(外部リンク)等に投稿してみてください。あなたが作った作品は公開して初めて完成作品となります
 こんな「他の人が作ったものと比べて見劣りするゲーム(ツール)を公開しても仕方がないと思うかもしれませんが、公開することで自分の成長にも繋がるし、反応がもらえるというのは何よりうれしいものです。

 ただし、「反応」といっても「君が作ったゲームは面白かったよ」などの良い反応がもらえるとは限りません。当然、悪い反応がある可能性だってあります。
 投稿前に「悪い反応があったらどうしよう」と不安になることは誰しもありますが、精一杯やれるだけのことをやっておけば問題はありません。それは悪い方に考えるのは何らかの手抜きをしているという自覚がある場合に起きやすくなるためです。そうならないためには「公開する前にはテストプレイを十分しないと後悔する」で書いたようにテストプレイをしっかり行い目立つバグを無くしたりゲームバランスの調整を十分に行う必要があります。

 では、それで悪い反応が無くなるかというとそれは難しいです。というのも、人の考え方やとらえ方は千差万別であり、どのようなものであっても好意的に受け止める人と否定的に受け止める人がいるからです。これは、市販の人気作品ゲームにおいてもそれを好きな人しか居ないというわけではなく「そのゲームが好きではない(面白くない)」という人も居ることから分かると思います。それは個人の感性や感覚の違いによって発生する問題であるためその人の意見を否定することはできません。(要するに「こんな面白いゲームをつまらないと言う人はは変だ!」という意見は無意味)
 つまり、「つまらない」「面白くない」という感想が来ても「そういう人もいる」と思うだけで良いのです。(もしも、反応があるのが否定意見ばかりであれば何が悪いのかを考えるということも作品作りのスキル向上に繋がる)
 これは否定的な意見が来たら無視するというのではなくなぜ面白くないのかちゃんと理由が書いてあるものに関してはそれをちゃんと見てその人の意見が納得できれば次からの作品作りに活かして行けば良いということです。とはいえ、他人の意見を参考にするのは重要なことですが他人の意見に流されてばかりでは自分の作品作りがつまらなくなってしまうため注意をしてください。それは「自分が作りたいものを作る」というのが何よりも楽しいからです。(趣味でやっているわけだから自分のために作るべきであり他人が望んでいるものを作るということを考える必要はないというだけではなく人の意見は千差万別でありそれらをすべて受け入れようとすると方向性がバラバラになって作品としての整合性が取れなくなってしまう恐れがあるためどの意見を採り入れてどの意見は見送るかを選択するスキルが必要になってくる)

 実は作品を公開する際に最も心配すべきことは「悪い反応がある」ということではなく「反応がない(=無反応)」ということです。
 作品を公開するという行為を行う理由は自分のスキルアップのためというのもあると思いますが、やはり一人でも多くの人にプレイしてもらいたいからというのがあるからでしょう。しかし、無反応では「本当は誰もプレイしないのではないのか」と思ってしまいがちです。実際は何らかの反応を残してくれる人は恐らく数%しか居ないのでプレイしている(ダウンロードしている)のが10人程度だとしたら反応がゼロでもおかしくはないのですが、反応がゼロではダウンロード数がゼロという可能性もあり得てしまうためです。

 反応を得るためには重要なのは宣伝行為と思う人も少なくないでしょう。確かに市販ゲームは雑誌に広告を入れたり、TVコマーシャルを流したり、店頭用のポスターやPOPを配布したりとか、宣伝活動に力を入れています。これは宣伝をすることによる知名度アップの効果が期待できるからです。
 自分の作品を宣伝しまくれば同じように知名度アップが期待できそうです。しかし、自分のサイトやブログで宣伝しまくるのは良いですが、Miiverseやtwitterなどで宣伝しまくるのはどうでしょうか。Miiverseは多くの人が利用している共用スペースです。つまり、節度のある行為が求められてきます。新しく作っている作品の制作過程を少しずつ公開しているならば良いのですが、すでに完成していて内容が変わってないのに毎日定期的にその作品について宣伝をするというのは無意味に他の人のログが流れてしまうためあまり好ましくないと思う人もいます。(これは規約上は全く問題ないことでありやってはいけないことではない)
 Miiverseやtwitterなどで一旦公開した後に再度自分の作品を紹介したいという場合は、隠し要素だったものを公開するとか、それを使った大会を開くなど「宣伝行為」と思われないようなことを行えば良いです。「過剰な宣伝行為」というのは規約上は悪いことではなくても好意的に受け止める人が少ないため結果的にその作品に対して(もしくは作ったあなた自身に対して)マイナスイメージを与えてしまいかねません。

 ただし、最初の時点で反応がゼロという場合には公開の仕方にも問題がある可能性が高いです。上記のようにtwitterでは#petitcomというハッシュタグを付けたり、コメントの中に「プチコン3号」という文字を入れるだけで検索されやすさが大きく変わってくるためまずはそれを入れてみましょう。自サイトで公開する場合にも「プチコン3号」というのをページ内に記述したり、ブログで書く場合には「プチコン3号」というタグを付けて検索のされやすさを向上させるために最低限必要となる工夫をしてみてください。
 あとは、公開時には画面写真やプレイ動画を付けておくというのが重要になります。公開されている作品も多くユーザーの立場からするとダウンロードする前にどんな作品か分かるということが何よりの大きな存在になります。

 あとは、投稿時に必要なのは「売り文句」です。そのゲームはどんなゲームでどのような特長があるのか、ツールであればどのようなツールでどのような特長があるのかをしっかり書いておくということです。「特に書くことはない」という場合には「自分がその作品に対して特に力を入れている部分がない(推している部分がない)」と言っているのと同じなので無反応であっても仕方がないと思ってあきらめてください。
 「謙遜は日本人の美徳」と言われることも多いですが、時と場合によっては「つまらないものですが」は「本当につまらないもの」と受け止められてしまいます。むしろ、大したことは無くても「こんなすごいものを作ったぞ」というくらいの方が反応が得られる場合が多いです。
 慢心は上達の妨げになりますが、自信を持てないのはそれと同じく上達の妨げになります。初心者の場合は謙遜のつもりではなく自信がないため自分の作品を強くアピールできないという人も多いのではないかと思います。初心者の人も自信を持って自分の作品を公開してみてください!

 あとはOSP(1画面プログラム)QSP(WIDTH 16の1画面プログラム)といった短いプログラムの場合はリストを画面写真で貼付して公開するという場合も多いです。しかし、反応を得ようとするならば短いプログラムであっても公開キーを取得しておいた方が良いです。特にまだ未完成品で完成させるための意見を聞きたいという場合にはリストを入力しないとプレイできない状況ではなかなか意見をもらいにくいでしょう。(リストのみを公開時には明らかにプログラムに問題がある場合はリストを見て指摘する人もいると思うけどプレイしてみないと分からない点については意見がもらいにくい)
 画面写真の撮り方については上記を参照してください。

 ということで、反応を得るために重要なのは「検索のされやすさを向上させる」「画面写真やプレイ動画を付けておく」「売り文句をしっかり書く」ということになります。
 そして、「過剰な宣伝は控える」ということです。どうしても、宣伝したい場合は自分のサイトやブログでしっかりその作品についての詳細な紹介ページを作ってください。例えばRPGを作ったならばtwitterでなどでRPGの話題が出たときにさりげなくその紹介ページを出せば十分な宣伝効果は得られます。ここで重要なのは「さりげなく」ということで何も脈絡もないのにいきなり出したら宣伝効果はプラスではなくマイナスになるため注意をしてください。
 本当に良い作品であれば過剰な宣伝は不要です。twitterならばリツイートによって自然に知名度がアップします。Petitverseにおいてもファンになったユーザーが「この作品は良い」と広めてくれるので初期公開時に反応がなかったからといって過剰な宣伝をする必要なんて全くないのです。

 


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